5.特に印象に残っている全都道府県の思い出[16]岡山県、広島県、山口県
彼と走った思い出は枚挙にいとまがないが、特に印象に残っているものを紹介したい。
(32)岡 山 県
2011年2月12日。
閑谷学校を見学し終え宿泊地の高砂市に向け出発しようとした所、パンクしているのに気付く。
修理のため、彼は隣接する青少年教育センターに場所と水道の借用をお願いしたところ、所長は快く許可してくれた上、修理中には所長を始め職員やスタッフの皆さんから親切にして頂いていた。
閑谷学校は豪壮な建築と石塀もさることながら、藩主が「庶民の教育を目的として設立した」事にも驚いたが、「国宝の講堂で誰でも学習体験が出来る」と聞き彼は更に驚いていた。
なお、彼は これ以降に家族や友人を連れて2回訪れており、2015年6月に友人と訪れた際には、帰って来た時「和気閑谷高校の生徒によるボランティアガイドの説明を聞いて学校の事がよくわかり、友人たちも喜んでいた」と私に話し、知人にもすすめている。
(33)広 島 県
2008年2月16日。
大崎上島の木江から大崎下島の大長に渡り、岡村島を一周して大崎下島に戻り御手洗に着く。
江戸時代には風待ち港として栄えたという御手洗。
『若胡子屋』、『乙女座』、『新光時計店』などがある町並みは、江戸から昭和初期にかけてタイムスリップしたかの様であり、御手洗の港からは遠く「しまなみ海道」も望める。
なお、『若胡子屋』は修復直後であったにも関わらず、閉館のため外観しか見られず。
理由は「屋根瓦の重量に問題があるため」と地元の方から聞いた。
(34)山 口 県
2009年10月11日。
萩市から長門市に向け県道64号線を走行中、萩市三見の直前で3年振りにパンク。
日没間近の山の中。
水や水気が全く無いという最悪の場所で、何とか穴を見つけ修理したが、別な場所にも穴があったのに気付かず、走り始めて間もなく空気は抜けてしまった。
彼は三見に入ってすぐ、全く見ず知らずの一般家庭にも関わらず呼び鈴を押した。
こんな事は彼のサイクリングにおいて唯一の出来事で、余程 切羽詰まっていたのだろう。
事情を話すとTさんは快く了解してくれ、更にバケツと水に加え玄関先まで借りて修理が出来、出発の際には奥様から「栗ごはん」まで持たせていただいた事に今も感謝している。
なお、「栗ごはん」は長門市の宿で美味しくいただいた。