「行った、銀輪走(走った)、見た、知った」……そして残った

サイクリングで駆け巡った彼との45年間

5.特に印象に残っている全都道府県の思い出[17]香川県徳島県

彼と走った思い出は枚挙にいとまがないが、特に印象に残っているものを紹介したい。

 

(35)香 川 県

2012年2月18日の小豆島。

二十四の瞳』の舞台の地とエンジェルロードを見るため、豊島を半周走って唐櫃からフェリーで小豆島に向かい、夕刻に土庄に着く。

 

翌日、岬の分教場も含め島を一周し、日没後に着いたエンジェルロード。

 

潮騒が響く星明りの中を渡るも、描いていたイメージと異なっていた上、潮も満ちてくる感じがしたため、翌朝に再び来ることにして宿に入る。

 

明日は高松に渡る予定の彼。

宿で翌日の潮の干満状況を調べると「早朝が現れる時間」と予想されており、好天を願っていた。

 

翌朝、再び訪れた彼は、「快晴の下、白い砂と緑の海藻が島に続く」イメージを上回る光景を目にして感動していた。

 

また、彼は話の種にすべく、興味本位で口にした「醤油サイダーと醤油ソフト」は驚きの美味しさだったらしく、醬油サイダーは購入して自宅に発送していた。

 

彼はこの旅行の写真も誤って消去してしまい、エンジェルロードの1枚だけ残ったがショックは隠せない見たい。

エンジェルロード(2012.02.20)

(36)徳 島 県

1991年11月10日

神山町の大塚旅館にて。

 

彼は、登山服の綻びを直すため女将さんに裁縫道具を借りたい旨を伝えると、「直すものを持って来て」と言われたので着ていた登山服を脱いで持って行く。

彼は「女将さんに直す場所を聞かれたので伝えると、『直しておきますから』と言われ持って行かれてしまった」と、私に話した。

 

しかし、返却された登山服は、伝えた場所だけでなく「女将さんから見て不都合な数個所」も一緒に補修されており、彼は女将さんの心遣いに感謝していた。

 

翌日の早朝、彼は女将さんにお礼を言い祖谷に向け旅館を後にした。

右の手前が大塚旅館(1991.11.11)

見ノ越にて(1991.11.11)