9.写真に残る湖、沼、池など
[21]ニュージーランド② 南島(South Island)の2
文章については、2022年11月~2023年2月にかけて公開した、はてなブログの別ブログ「ニュージーランド縦断サイクリング1975.12-’76.1」から関係部分を抜粋しています。
12月30日(火) 晴れ
時々 振り返って見ると、国道89号線の上にはクッキリと自転車のタイヤの跡がついている。
国道6号線に入って間もなく、右手に周囲を山々に囲まれた牧場の中に、小さくはあれ静かに水を湛えた湖水に木々を映すヘイズ湖(Lake Hayes)の美しさは格別で、まるで絵を見ている様だ。
一生涯こういう所で暮らして見たいと思う様な所だ。
《 ヘイズ湖 》
※彼は「目にした湖沼等では北海道のチミケップ湖、カムイト沼とヘイズ湖がベスト3」と今も
話している。
そして、彼は「クイーンズタウンやアロータウンを訪れた際には、是非とも足を延ばして欲しい」
とも話している。
《 ワカティプ湖 》
クイーンズタウンに着いたのは、午後3時ちょっと前。
両替後、少し街中を走って名物のゴンドラ乗り場に行き、ゴンドラでボブズ・ヒル(Bobs Hill)に上り、写真で有名な風景を眺める。
しかし、本当に美しい。
写真を見て美しいと思っていたが、肉眼で見る風景は比較できないほど雄大で美しい!!!
ここからは、真下に整然とした美しいクイーンズタウンの街並みと真っ青な水をたたえたワカティプ湖(Lake Wakatipu)。
そして湖に突き出すケルビン半島(Kelvin Peninsula)及び それを取り巻くように連なるリマーカブル山系(The Remarkables)のほか、セシル山(Cecil Peak)やウォルター山(Walter Peak)などの山々が見える。
4時間ほど、雄大な中にも女性的な面を併せ持つ素晴らしい山紫水明の風景を満喫して、ゴンドラに乗って下りる。
また、街の中を適当に走り、寮母に絵葉書を出し、お土産を買って日本への発送を依頼した後、来た道をフランクトン(Frankton)まで戻り、買物をしてハンドルを右に切り、キングストン(Kingston)に向かう。
両サイドに広がっていた牧場も消え、右にワカティプ湖を見て走る道路は、ボブズ・ヒルから見た湖に沿った道に違いない。
遠く湖を跨いで、クイーンズタウンがうっすらと見える。
ワカティプ湖畔を走っていると、不意に車の中からグラスになみなみと注がれたビールを持った手が助手席から出て来て、約20m先で停まった。
停まった車に近づくと「先ずビールを飲んでくれ」と差し出され、聞かれるままに この旅行の事や日本のことを話しながら、更にもう一杯ご馳走になる。
余りの予想外の出来事だっただけに、その美味さも格別だ!!!
現在、キングストンまで大体20kmと思われるワカティプ湖畔でキャンプ。
外では、相当に強い風が吹いている。
※「ビールを飲んでくれ」について、彼は躊躇することなく飲んでいたが、彼も私も 「現在では考え
られない事だろう。特に飲む方は」と思っている。
ちなみに、彼は「当時の日本における飲酒全般に対する考えは、現在に比べ非常に大らかだった」と
話しており、私もこの点については その様に思っている。
12月31日(水) 晴れ
なんとなく出渋っている内に、午前11時になってしまった。
今日で1975年も終わりである。
本年最後の走行は、快晴の中を右にワカティプ湖を見ながら始まった。ワカティプ湖も終わるころ、湖に面してキングストンの町が美しく並んでいる。
「9.写真に残る湖、沼、池など(※市町村名は2023年9月現在)」は、今回を以て終了とさせていただきます。
古い写真が多いため、画像もはっきりしない物が多々ありますが、見ていただいた皆様には感謝申し上げます。
なお、次回は近々に当ブログにて「10.写真に残るダム、発電所など(※市町村名は2023年11月現在)」を公開する予定です。
Mont Blanc 拝