5.特に印象に残っている全都道府県の思い出[21]熊本県
彼と走った思い出は枚挙にいとまがないが、特に印象に残っているものを紹介したい。
(42)熊 本 県
1984年11月22日。
熊本で夜行列車を降り、美里町から二本杉峠を越え、五木村を経由して人吉に着く。
国道445号線を南下して二本杉峠に着くも、峠から椎原までは工事のため迂回路を行かねばならず、西の岩川沿いに進み「せんだん轟の滝」などを見ながら椎原に出た。
11月という事もあり、五木村役場に着いた時点で辺りは真っ暗。
この中を人吉に向け走っていると、追い抜いた軽のワゴン車がいきなり停まる。
そして、降りて来た男性はバックドアを開け、彼が人吉まで行くと確認した上で「闇夜で危険だから送って行くので自転車を載せろ」と言う。
しかし、若かった彼は「どうしても自分の足で走って行きたい」旨を説明し、男性には「呆れられながらも理解していただけたもの」と思っているが、彼は感謝しながら人吉まで走っていた。
彼は「くまモン」の大ファン。
彼が「くまモン」の存在を知ったのは2011年7月17日で、島原に渡る「熊本フェリー」の熊本港のターミナル待合室。
土産品売場には大人気と書いてあったが、その時は「表情も動きも無いのに、この熊がどうして大人気なのか」全く理解できず、気にもかけない状態だった。
2012年7月20日。
宮崎に向かうためJR新八代駅にて下車。
彼は、私を組み立てるも雨が本降りのため小降りになるまで待とうと、構内を歩いていて目に入った「くまモン」。
時間つぶしのため土産品売場を見に行くと、今回は「表情・動きともに多種多様」で前年とは全く異なった姿に一転して気に入り、奥さんと娘さんたちの土産として「くまモン」がプリントされた小物を買っていたほか、水上村の醸造場では自分用に「くまモンのボトル」に入った球磨焼酎を購入している。
私は、この日 雨が降っていなかったら、彼は「くまモン」のファンになる事はなかっただろうと思っている。
2019年2月20日。
目的地の熊本に着いた彼。
日本酒の蔵元で「くまモン ラベル」のワンカップと菰樽を買って自宅へ送付。
また、彼は趣味の郷土玩具を「現地での入手」にこだわって集めているが、偶然にも「くまモン」を入手する機会に恵まれ、今も非常に喜んでいる。
なお、彼は「くまモンスクエア」にも寄ったが、「営業部長は県の関連行事のため出張中で、不在だった」と外で待っていた私に話した。
このほか、熊本電鉄の車両には時間の制限はあるが「自転車がそのままの形で、しかも無料で載せる事が出来る」と知って驚き、彼は私と一緒に乗る事も考えたが利用することはなかった。